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石田 毅*; 藤戸 航*; 山下 寛人*; 直井 誠*; 藤井 宏和*; 鈴木 健一郎*; 松井 裕哉
Rock Mechanics and Rock Engineering, 52(2), p.543 - 553, 2019/02
被引用回数:16 パーセンタイル:67.51(Engineering, Geological)瑞浪超深地層研究所の深度500mレベル坑道底盤より鉛直下向きにボーリング孔を掘削し水圧破砕を実施した。その際、注入孔から1m離れた4つのボーリング孔内に16個のセンサーを配置し、AEイベントを観測した。最初のブレークダウンは10mL/minの流量で生じ、流量を10mL/minから30mL/minに増加させルことにより、最初のブレークダウンよりも大きな2回目のブレークダウン時に再破砕が生じた。AEの震源位置は最初と2回目のブレークダウンとも破壊していない領域のみに生じ、流量が維持された状態で注入されている時はそれ以外の領域には発生しなかった。破壊されていない領域に発生した最初と2回目のブレークダウン時のAEのP波初動の押し引きより推定される破砕メカニズムは、引張型の破壊と推定された。これらの結果は、流量の増加が水圧破砕亀裂の再破砕に効果的であることを示している。加えて、再破砕時のブレークダウンプレッシャーは1回目よりも大きく、引張型の亀裂進展を示しており、これは水圧破砕に関する古典的な弾性理論と調和的な結果である。
松井 裕哉; 前田 信行; 瀬戸 政宏*
JNC TY7430 2000-001, 57 Pages, 2000/03
大規模地下空洞や大深度地下構造物の建設は、空洞周辺岩盤が本来持っている力学的・水理学的な物性を変化させ、空洞の安定性や地下水流動へ影響を及ぼす。資源環境技術総合研究所とサイクル機構は、岩盤の力学的安定性に関する調査方法や評価方法をテーマとして、平成元年度より共同研究を実施している。平成10年度から第4フェーズとして、岩盤空洞の安定性に関する評価方法の検討というテーマで、主として掘削影響領域を評価するための基礎データとなる初期応力状態や二次応力状態の計測・評価手法などについて検討することとした。本年度は、東濃鉱山の地表から掘削した深度約200mのボーリング孔において、AE法、DRAによる三次元初期応力測定およびAE法と水圧破砕法による初期応力測定を実施し、三次元的な初期応力状態を把握するとともに初期応力状態の評価手法の適用性について検討した。それらの結果の概要について、以下に述べる。・鉛直方向の応力値は、堆積岩部では推定される土被り圧とほぼ等しく、花崗岩部ではそれより少し大きい。・水平最大主応力値は、深度と共にほぼ直線的に増加し、その勾配は花崗岩部の方が大きい傾向にあった。・水平最大主応力値は、堆積岩部では概ねN-SN45 Wで、花崗岩部ではほぼN45°W方向であった。・応力環境については、堆積岩部で遷移型(H=h)、花崗岩部では遷移型もしくは横ずれ断層型(HhV)の応力環境であった。・今回用いたAE法、DRAおよび水圧破砕法は初期応力測定手法としての適用性があり、AE法と水圧破砕法を組み合わせた三次元的な応力状態の評価方法は有効であることが示された。
佐藤 稔紀; 木口 努*; 板本 昌治*; 小村 健太朗*
no journal, ,
地盤工学会「水圧破砕法による初期地圧測定法の基準化委員会」では基準案を策定した。本報では、基準案のうち、測定方法とその理論、主応力値の算出について解説する。
藤戸 航*; 山下 寛人*; Ziad, B.*; 直井 誠*; 石田 毅*; 藤井 宏和*; 鈴木 健一郎*; 松井 裕哉
no journal, ,
シェールガスや地熱の開発手法として、水圧破砕技術の重要性が高まっており、本研究では瑞浪の花崗岩を対象とした原位置水圧破砕試験とAE観測を実施し、実際の岩盤内で生じる亀裂造成メカニズムについて検討した。その結果、ブレイクダウン時の亀裂造成メカニズムについてはせん断型が支配的であるものの、新規亀裂の造成時には引張型の破壊が発生すると考えられることがわかった。